うちのバドミントンチームの運営費がカツカツで困ってるんだ…シャトルの出費がバカにならないんだよね…
シャトルって意外と高いし、簡単に壊れちゃうよね…でも実はシャトルを再生できる修理方法があるんだ!修理方法を紹介していくよ!
この記事の内容
- バドミントンのシャトルを再生する方法
- シャトルを修理するメリット・デメリット
- シャトル修理のよくある質問
この記事でわかること
バドミントンのシャトルを無駄なく再生!修理も簡単!
バドミントンチームやバドミントンサークルを運営する方は運営費に頭を悩ませることが多いのではないでしょうか。
バドミントンチームを運営するに当たって、何にお金がかかるのかというと、その最たるものはシャトルと言えるでしょう。
このシャトル問題を解決(とはいかないまでも、運営費を大幅に削減)してくれるのが、今回紹介するシャトル再生術です。
もちろん「手間ばかりかかって、使用感が悪くなってしまうんじゃないの?」という疑問もあるでしょう。
しかし、安心してください!
この記事に従って、シャトルを修理・再生させれば、基礎打ちだけでなく、試合球でも使えるようなクオリティの再生シャトルが作れるようになりますよ!
ここからは、詳しい画像付きで説明していきます。
バドミントンのシャトルを修理するのに使う9つの道具
それでは、シャトルの修理で使用する道具を紹介していきます!
左上から修理シャトルとドナー羽(それぞれ後ほど作り方を紹介します)、爪楊枝とプラスチック皿(筆者はシャトルの筒の蓋を再利用)、木工用ボンド。
左下に移って、シャープペンシル、ラジオペンチ、ニッパー、千枚通し。
これらを使います。
シャトル修理に必要なもの
- 修理シャトル
- ドナー羽
- 爪楊枝
- プラスチック皿(使い捨ての皿)
- 木工用ボンド
- シャープペンシル
- ラジオペンチ
- ニッパー
- 千枚通し(直径3mm)
また、この記事ではシャトルと羽という言葉を分けています。
シャトルはコルクが付いた状態のものを、羽はコルクが付いていない一枚の羽を指します。
それでは「ドナー羽作り」と「修理シャトルにドナー羽を移植」の2つのパートに分けて説明していきますね!
その一、ドナー羽作り
まずはドナー羽作りについて説明します。
ドナー羽作りはシャトルを選ぶところから。
ドナー羽を作るのに向いているシャトル、修理シャトルに向いているシャトルの選別方法を紹介していきます。
ドナー羽作りの工程
- 修理シャトルとドナーシャトルを選ぶ
- ニッパーで横糸を切断する
- ドナーにしたい羽を抜く
- ドナーをきれいにする
①修理シャトルとドナーシャトルを選ぶ
そもそも修理シャトルとは、壊れた箇所を修理して再利用するシャトルのことを言います。
そしてドナーシャトルとは、壊れていない部分の羽を抜き取って、修理シャトルに挿すためのシャトルです。
このため、臓器移植のイメージで「ドナー」という言葉を使っています。
それでは修理シャトル向きのシャトル、ドナーシャトル向きのシャトルとはどのような特徴があるのでしょうか?
画像付きで説明しますね!
まず修理シャトルに向いているシャトルとは、以下の写真のように1本(もしくは2本)の羽が欠けたり、折れたりしているだけで、他の羽はいたってきれいな状態のシャトルです。
この欠けたり、折れたりしている部分を取り除いて、ドナー羽を挿します。
ただし右の写真のように結び目のある部分が欠けたり、折れたりしている場合があります。
残念ながら、結び目のある位置の羽が欠けているシャトルを修理シャトルとして利用するのは難しいです。
もしも、他の羽がきれいなのであれば、ドナーシャトルにしても良いでしょう。
そしてドナーシャトルに向いているシャトルとは、以下の写真のように3本以上の欠けや折れがあるシャトルです。
他のきれいな羽を引き抜いて、ドナー羽にします。
どちらのシャトルも、ゲーム練習で少し使用して、変な当たり方をして壊れたような、もったいないシャトルと言えますね!
しかし、そのまま使い続けることもできないようなシャトルでしょう(特にドナーシャトル)。
このようなとき、シャトル修理をすることで、捨てられるはずのシャトルを再生できますよ!
それでは次にドナー羽の作り方を見ていきましょう!
②ニッパーで横糸を切断する
次に上で選んだドナーシャトルの横糸をぐるっと一周、ニッパーで切断します。
下の写真のようにシャトルの横糸は上下に2本あるため、上下ともに一周、切っていきます。
上の横糸 下の横糸
糸を切る位置はシャトル寄りでも、糸の中央でも、どこでも問題ありません。
シャトルの横糸を切る理由は、ドナー羽を抜きやすくするためです。
③ドナーにしたい羽を抜く
シャトルの横糸を切ったら、ドナーシャトルからドナーにしたいきれいな羽をラジオペンチで引き抜きます。
少し力が要りますが、写真のように抜くことができます。
このとき、ラジオペンチに力を入れすぎて、ドナー羽を折らないように注意しましょう。
ドナー羽を引き抜き終えると、下の写真のようにきれいな羽が集まります。
④ドナー羽をきれいにする
「その一、ドナー羽作り」の最後の工程は「ドナー羽をきれいにする」です。
引き抜いた後のドナー羽は横糸がくっついている状態なので、これをラジオペンチで除去します。
ドナーシャトルに横糸がくっついている ラジオペンチで除去 横糸が取れました
横糸除去のコツはラジオペンチで横糸をひねりながら、ねじ切ることです。
次に横糸が取れたドナー羽をさらにきれいに仕上げます。
ドナー羽の横糸を除去しただけだと、軸がささくれた状態のままなので、ドナー羽として不十分です。
このささくれがあると、修理シャトルに挿しづらくなるため、ニッパーでドナー羽の軸を削っていきましょう。
ドナー羽の軸がささくれている状態 ニッパーで削る
また、ドナー羽の先端をニッパーで尖らせることで、修理シャトルに挿すときに使いやすくなりますよ!
ニッパーで先端を尖らせる ドナー羽完成!
ドナー羽はあらかじめたくさん作っておくと、修理シャトルを作る際に楽ですよ!
その二、修理シャトルにドナー羽を移植
一定数のドナー羽を作り終えたら、次は修理シャトルにドナー羽を移植していきます。
以下ではドナー羽移植の6つの工程を説明します。
修理シャトルにドナー羽を移植する工程
- ニッパーで修理シャトルの欠けた羽の軸を切断する
- ラジオペンチで欠けた羽を抜く
- ラジオペンチで糸に付いたのりを取る
- 千枚通しでドナー羽を入れる穴を広げる
- 印を付けてドナー羽を入れる
- 爪楊枝でボンドを塗る
①ニッパーで修理シャトルの欠けた羽の軸を切断する
まずは、先ほど選んだ修理シャトルの欠けている(もしくは折れている)部分の羽の軸をニッパーで切断します。
修理シャトルを用意 折れている羽の軸を切断 軸は上下2か所切断すると良い
ニッパーで欠けた(もしくは折れた)羽の軸を切断するのは、欠けた羽を引き抜きやすくするため。
引き抜いた部分にドナー羽を挿します。
また、先ほどドナー羽を作る際に、ニッパーで横糸を切断しましたが、今回は羽の軸を切断します。
作業が似ていることから混同しやすいため、誤って糸を切ってしまわないよう注意しましょう。
②ラジオペンチで欠けた羽を抜く
次にラジオペンチで上で切断した箇所の欠けた羽を抜きます。
上の部分から順番に引き抜いていき、修理シャトルを一度、歯抜けの状態にしましょう。
上の部分をつかんで 引き抜く 真ん中の部分も引き抜く 一番下も忘れずに抜く 歯抜けの修理シャトルが完成
ポイントは羽を引き抜くとき、横糸に引っ掛けないようにすること。
横糸が切れてしまうと、ドナー羽が挿せなくなってしまうため、横糸は丁寧に扱いましょう。
③ラジオペンチで糸に付いたのりを取る
羽を引き抜いた後は、糸に付着したのりがボソボソとして邪魔になってしまいます。
ドナー羽を入れやすくするためにも、のりをラジオペンチで除去していきましょう。
のりが付着している ラジオペンチでのりを除去 この程度除去できればOK
完璧にのりを取りきる必要はありません。
写真のようになったら、次のステップに進みます。
④千枚通しでドナー羽を挿す穴を広げる
この工程では、千枚通しを利用して、ドナー羽を挿す穴を広げていきます。
あと少しの工程で完成ですよ!
千枚通しは3Φ(直径3㎜)が最適です。
もちろん同じような直径であれば、千枚通しだけでなく、キリやアイスピックでも問題ありません。
まずは千枚通しの先を穴に入れ、進めていきます。
コツは千枚通しをグリグリと回転させながら進めていくこと。
千枚通しの先が外側を向くように、1つ目の穴を貫きます。
回転を加えて千枚通しを進める 千枚通しの先は外側に向ける
同じようにして2つ目の穴を千枚通しで貫き、コルクの穴にも千枚通しを刺します。
千枚通しでコルクを5㎜ほど刺すイメージでOKです。
千枚通しを使う際は、手の位置に注意が必要です。
穴を貫く際、力余って持ち手を千枚通しで傷つけないよう、画像のような手の位置で作業しましょう。
この工程のBefore、Afterは以下の画像を参考にしてみてください!
Befor After
⑤印を付けてドナー羽を挿す
以上の工程で広げた穴にドナー羽を挿します。
ドナー羽を挿す際、ドナー羽と他の羽を見分けるため、印を付けるのがおすすめです。
ドナー羽を挿しても、なかなか前に進んでいかない、という場合もあるでしょう。
この場合、ドナー羽の軸を削るか修理シャトルの穴を広げる、もしくはその両方をする必要があります。
また、羽には裏表があるため、軸が浮き出ている方を外側にして挿してください。
ドナー羽を挿す ペンで印をつける ほとんど見分けがつきませんよね!
最後にドナー羽の高さ、角度を調整して、この工程は終了です。
余力がある場合は、羽の形を気にかけてみましょう。
羽には1枚1枚個性があります。
右に反っているもの、左に反っているもの、羽の幅が広いもの、細めの形をしたもの…。
修理シャトルの羽の形に合ったドナー羽を挿すと、再生したシャトルと新品のシャトルと区別がつかないほどの見た目になりますよ!
⑥爪楊枝でボンドを塗る
最後に爪楊枝でボンドを塗って、ドナー羽を固定します。
プラスチック皿に少量の木工用ボンドを取り、ドナー羽を挿した部分の横糸やコルクにボンドを塗っていきます。
横糸とドナー羽を繋ぐようにボンドを塗る コルクとドナー羽を繋ぐようにボンドを塗る 内側にもボンドを塗る
特に横糸の部分は全体的にボンドで塗り固めましょう。
多少ボンドが多めでも、乾くと透明になるため、おおざっぱでOKです。
外側3か所 内側3か所
あとは乾燥させれば、再生シャトル作りは終了です。
乾燥は直射日光を避け、風通しの良い場所が適切でしょう。
乾燥するまで、夏場は2、3時間、冬場は半日ほど要します。
バドミントンのシャトル修理のメリット・デメリット
シャトル修理の工程を説明しました。
意外と簡単な作業だと、感じませんでしたか?
ここでは、シャトル修理を始めようか迷っている方のために、シャトル修理のメリットとデメリットを紹介します!
- シャトル修理のメリット
- シャトル修理のデメリット
シャトル修理のメリット
シャトル修理はメリットだらけと言えます。
ざっとメリットをまとめると以下の通りです。
シャトル修理のメリット
- 運営費が確実に浮く
- シャトルのランクを落とさずに運営できる
- 捨てるシャトルが減るため有料ゴミ袋の必要量を削減できる
- シャトルを大切に扱うよう意識できる
- 捨てるシャトルが減るため環境に優しい
- うまく作れば耐久性も新品とかわらない
- 繰り返し修理できる
- 特殊な工具は不要だから初期費用がかからない
このように、バドミントンクラブやサークルを運営されている方に、シャトル修理は非常におすすめです。
シャトル修理のデメリット
シャトル修理のデメリットは、ある程度の時間が必要だということでしょう。
シャトル修理をする際は、先ほど紹介した複数の工程をこなす必要があります。
このため、運営されている方が一人でシャトル修理を行う場合は、非常に時間がかかる可能性があるのです。
ですから、シャトル修理はバドミントンクラブやサークルを巻き込んで行うということも一つの手ですよ!
例えば月に一度、バドミントンクラブやサークルのメンバー、少年団の場合は保護者の方が集まる機会を設け、シャトル修理を兼ねた懇談会を開いても良いでしょう。
工程ごとにおおまかに役割分担をすれば、あっという間に片付くはずです!
シャトル修理に関するよくある質問4選
シャトル修理はメリットが大きく、やりがいがあるということがわかりましたね!
最後にシャトル修理に関するよくある質問を4つ紹介します。
Q&A
- 使用感は変わる?修理したシャトルってわかる?
- シャトル修理で金額的にどれくらい浮くの?
- シャトル修理にはどれくらい時間がかかる?
- シャトル修理ってケガしやすい?
使用感は変わる?修理したシャトルってわかる?
この記事で紹介した方法にしたがってシャトル修理を行えば、使用感は変わりません。
おかしな軌道になったり、失速や飛びすぎることもありません。
使用感が原因で、修理したシャトルだと気づくこともありません。
もしも、実業団の選手が修理シャトルを使用したら、なにか気づくことがあるかもしれませんが…。
筆者(経験:少年団・中・高部活、県大会規模の大会に出場)は、問題なく使用できています。
シャトル修理で金額的にどれくらい浮くの?
練習内容や練習時間、メンバーのレベルや人数などの条件によって、シャトルの壊れやすさが変わってくるため、一概いくらとは言えません。
ただし、イメージしやすくするために筆者のチームの例を紹介します。
筆者のチーム(月8回の練習、1回2時間)の例になりますが、シャトル修理を行った場合、月12,000円ほど浮きますよ!
1個250円から300円ほどのシャトルを利用しているため、筆者のチームにとって、シャトル修理は運営費削減にうってつけなのです。
また、修理もできないような、ボロボロのシャトルはフリマサイトで野球チームなどに販売することで、無駄が減らせます。
シャトル修理にはどれくらい時間がかかる?
1人で作業した場合、慣れればシャトル1本あたり5分程度でしょう(乾かす時間は含めず)。
ただし、この時間は、あらかじめ作ったストックのドナー羽を利用したことで実現しています。
ドナー羽作りを含めた、この記事で紹介した工程すべて合わせると10分程度になります。
また、先ほど提案したように、バドミントンクラブのメンバーを募ってシャトル修理を行えば、より早く大量の羽を修理することができるでしょう。
シャトル修理ってケガしやすい?
この記事で紹介した方法にしたがってシャトル修理を行えば、ケガをすることはありません。
ただし、ケガが発生するのは、大抵千枚通しを使用しているときでしょう。
その二の「千枚通しでドナー羽を挿す穴を広げる」の工程です。
修理シャトルを持つの手の位置や、隣の人や近くのものに気を付けて使用しましょう。
ケガが起きるのは、シャトル修理に慣れたころ。
「会話に夢中で、テレビに夢中で、ついうっかり」というケースがほとんどなので、ある程度集中して取り組んだ方が良い工程です。
また、その他にもニッパーやラジオペンチ、爪楊枝など、先の尖った道具を多く使用するため、小さなお子様のいる家庭では、特に注意して作業してくださいね!
【まとめ】シャトル修理は慣れれば簡単!どんどん再生させよう!
この記事ではバドミントンのシャトルを修理し、再生する方法を紹介しました。
細かく工程を書いたため、難しそうに見えるかもしれませんが、慣れればとても簡単な作業ですよ!
シャトルの修理はやらない方がもったいない、ということがわかりましたね!
シャトル修理をする際には、何度も記述したように、ケガに注意して取り組みましょう。
あなたのバドミントンクラブの運営費の助けになること、間違いなしです!